美肌になるためには、保湿が必要。
そして、肌の保湿には、水分ではなくセラミドなどの保湿成分を与えるのが良い。
このようなことが、広く知られるようになりました。セラミドを配合したスキンケア化粧品も、数多く販売されてますよね。
で、どんなセラミド配合のスキンケア化粧品が良いのか、ネットで口コミを検索しようとすると、「セラミド 効果ない」といった検索の候補が上がってきます。
実際に使ってみて、思いのほかセラミドの効果を感じることが出来ず、「これって自分だけ?」と思って検索して人や、これからセラミド配合のスキンケア化粧品を買おうと思っているけど、効果があるのか気になっている人が多いのかもしれません。
ということで、セラミドは効果が無いのか調べてみました。
すると、セラミドの種類を知れば、もっとセラミドを効果的に使えることがわかりました。
目次
セラミドとはこんなもの
- セラミドとは保湿成分の一つで、そもそもは、人の体にもとからあるもの。
- 特に、肌に多く存在していて、肌の表面の角層にある、角質細胞と角質細胞の間を満たしている細胞間脂質の一つ。
- 角質細胞同士を、がっつりつなげるセメントのような役割をしていて、肌のバリア機能の役割に一役買っている。
- 細胞間脂質の約50%はセラミドでしめている。
で、そのセラミドはどこからやってくるかというと・・・
肌のターンオーバーによって細胞は、順番に肌の表面に向かって押し上げられていきます。肌の表面の角質細胞になるときに、セラミドが放出されるのです。
正常なターンオーバーによって、充分なセラミドが放出され、肌のバリア機能が働くわけです。
なので、肌を洗いすぎたりすると、今あるセラミドも必要な角質細胞も流れていきます。すると、まだ角質細胞になるはずのない細胞が、未熟な角質細胞として存在するようになり、当然セラミドの放出もイマイチ。強固な角質層は作られず、バリア機能が低下するというわけです。
洗いすぎはダメ!!と言われるのはこのためなんですね。
あと、残念なことに、加齢によってもセラミドは減っていきます。
ですから、化粧品で補っていきましょうと。
スキンケア化粧品に含まれるセラミドの種類
スキンケアでセラミドを補おうにも、天然型セラミド、植物セラミド、ヒト型セラミド・・・、メーカーが色んな表現をするので、正直わかりづらいですよね。
ちょっと、セラミドの種類を整理してみますね。
ヒト型セラミドは、人の肌に存在するセラミドにとても似ていて、肌への馴染みが良いので、保湿には効果的な成分です。
でも、実際には合成セラミドの一つ。合成というと「なんだか肌に良くなさそう」みたいなイメージが、どうしてもありますよね。なので、メーカー的には「天然型ヒト型セラミド」という表現をするんでしょうね。
ただ、これも全くのウソではありません。ヒト型セラミドは、酵母から作られているものもあります。「酵母=天然の素材から作っている」ということで、「天然型」と表現をしているようです。
では、それぞれのセラミドには特徴があるようなので、ご紹介しますね。
天然セラミド
動物セラミド
- 馬や動物の脳や脊髄由来のセラミド。
- ビオセラミド、セレブロシド、ウマスフィンゴ脂質、ガラクトシルセラミドと表記される
- 肌のセラミドの合成を促進させる働きがある
- 化粧品の原料としては、高価
植物性セラミド
- 大豆やトウモロコシ、こんにゃく芋、米ぬかなどの植物から抽出されたセラミド
- コメヌカスフィンゴ糖脂質などと表記される
合成セラミド
ヒト型セラミド
- バイオセラミドとも呼ばれる
- 主に酵母から抽出される
- 人の肌に存在するセラミドに、近い構造をしている
- セラミド1、セラミド2という表記から、セラミドEOP、セラミドNSという表記に変わってきた
- 化粧品の成分表示に「セラミド」と表記できるのは、このヒト型セラミドだけ。
疑似セラミド
- 主に石油由来のセラミド
- ヘテサデシロキシPGヒドロキセチルヘキサデカナミド、セチルPGヒドロキシエチルパルタミドなどと表記される
- 肌に浸透しない
保湿に効果的なセラミドはどれ?
大まかに4種類にわけて、セラミドを紹介しましたが、どれが保湿に効果的なんでしょうか?
ポイントは、肌のセラミドになるかどうか。
どういうことかと言いますと、角質細胞同士をくっ付けている、セラミドを主成分とした細胞間脂質は、ラメラ構造をしています。
ラメら構造とは、水分と油分が層となって、規則的に並んでいる状態です。
その緻密なラメラ構造に、スキンケアによって補ったセラミドが、邪魔をせず組み込まれるかどうかです。
それが、人の肌にもともとあるセラミドに近い、ヒト型セラミドはできるのです。
洗いすぎや、加齢によって失ったセラミドを補う役割をしてくれるのです。
無くなったものを、元通りにしてくれるのが、ヒト型セラミド。
肌のセラミドになってくれるのがヒト型セラミド
では、他のセラミドはダメかというと、そうではないようです。
ヒト型セラミドのように、ラメラ構造の一員にはなれませんが、肌の表面でラメラ構造を作ることはできます。肌の表面を覆ってバリア機能のように守るんですね。
この、肌に浸透しないということは、メリットもあります。肌に刺激を与えないということです。
ですから、肌が敏感な時には、疑似セラミド配合のスキンケア化粧品で保湿し、水分の蒸発を防ぐのも手です。
ただし、スキンケア化粧品には、セラミド以外にもいろんな成分が含まれているので、他の成分が肌の刺激になることもあります。肌荒れがひどい場合は、スキンケア化粧品よりも、ワセリンで保護し、肌が落ち着くのを待つ方がいいですね。
セラミドは効果が無いといわれる理由
角層に存在するセラミドは、スキンケア化粧品で補うことが十分可能なはず。
ところが、セラミドは効果が無いと思われるのは、なぜでしょう。
それは、「セラミドにエモリエント効果が無いから」ではないでしょうか。
セラミドは水分を抱え込んで、蒸発させない役割がありますが、グリセリンなどのように、塗れば肌がしっとりするというわけではありません。
セラミドで肌の保水性が高まって、結果的に肌がしっとりするわけです。
そもそも、うるおいに満ちた肌って、肌の表面がしっとりしているとは限りません。子供の肌って、みずみずしくってうらやましいですよね。でも、肌の表面はサラサラとしています。「手のひらが吸い付きそうな肌」ではあるけれど、実際に吸い付くわけでなく、サラサラ。
スキンケアの後、手のひらが顔にくっつくように、しっとりしているのが好みな方には、物足りないこともあるかもしれませんね。
もう少ししっとりしてほしい、かな?
より一層セラミド配合の化粧品を効果的に使うために
肌の状態によってセラミドを使い分ける
体の中の水分を保つ
肌の水分はどこから来ているかというと、化粧水からの水分ではなく、体の中からの水分です。
肌の表面に近づくにつれ、水分は減っていくわけですが、マメに水分補給をしたり、筋肉をつけたりして、体の中の水分を保ちましょう。そして、セラミドによって蒸発していくのを防いでもらいましょう。
マメな水分補給は大切
ヒト型セラミドは、数種類配合しているスキンケア化粧品を選ぶ
ヒト型セラミドは、成分表示には「セラミド+数字」から「セラミド+ローマ字」に変わってきました。
セラミド1 | セラミドEOP |
セラミド2 | セラミドNS |
セラミド3 | セラミドNP |
セラミド5 | セラミドAS |
セラミド6 | セラミドAP |
セラミド9 | セラミドEOS |
そして、それぞれ水分の保持に特に優れているもの、ターンオーバーを促進するものなどちがった働きがあります。
できれば、数種類セラミドが配合されたものを選ぶのがベター。
そして、より一層バリア機能を強固にしてくれる、セラミド1が配合されていると、なおよし。
使い心地だけで判断しない
他のスキンケア化粧品も同じですが、しばらく使ってみて様子を見ることも大切。セラミドは、肌の保水力が上がって、結果しっとりするものなので、使い心地だけでは判断できないことも。
ただし、赤みやかゆみが出たり、異常を感じた時は、潔く撤退します。
クレンジングや洗顔を見直す
いくらセラミドを補っても、セラミドを洗い流す習慣が続いていては、あまり効果も見込めませんよね。メイクに対してクレンジングが強くないか、顔を洗うぬるま湯の温度が、高すぎないか見直すのも、セラミド配合化粧品を効果的に使うためにおすすめです。
セラミドを補うのではなく、セラミドを生み出すケアも人気ですよ。
⇒ライスパワーで肌のセラミドを増やす、ライースリペアトライアルキット使ってみました。予想外だったこと、後悔したことなどご紹介。