この記事の最終更新日は 2018年10月2日 です。現在は状況が異なる場合がありますので予めご了承ください
クレンジングオイルは、肌に悪いと言われてきましたよね。
その主な原因は、クレンジングオイルの主成分、ミネラルオイルの油を溶かし込む力が大きいことです。
ところが、オリーブオイルや米ぬか油を主成分とした、「油脂系クレンジング」は肌に優しいと、最近はとても人気です。
気になる、毛穴の角栓も、油脂系クレンジングオイルをクルクルなじませれば、とれるので私も好きで使ってます。
しかしですよ、油脂系クレンジングオイルも毛穴を広げ、バリア機能を壊すかもしれないという、噂を耳に・・・。
その真偽を調べてみました。
目次
油脂系クレンジングオイルとはなんぞや。普通のクレンジングおいるとの違いは何?
クレンジングオイルですから、肌に悪いとされていたクレンジングも、油脂系クレンジングも、主成分はオイルであることは同じ。
ただし、そのオイルがちがいます。
肌に悪いとされているクレンジングは、ミネラルオイルが主なオイル。
ミネラルオイル自体は、ワセリン同様に、肌に浸透することも無いし、刺激も無いのですが、油を溶かし込む力や、肌への吸着力が強いことがネックです。
クレンジングオイルとメイクを馴染ませたら、ぬるま湯で流す方法が主流ですよね。その時、オイルが肌にべっとりくっついたままだと、ヌルヌルして気持ち悪い。ぬるま湯でオイルを流しやすくするために、界面活性剤の配合が増えがちになります。その結果、肌の乾燥に繋がるので、クレンジングオイルは肌に良くないといわれているのです。
一方、油脂系のクレンジングは、オリーブオイルや米ぬか油などがベース。それほど油を溶かし込む力も、肌への吸着力も強くない。肌に塗っても、べとつかないオイルもありますよね。ですから、ぬるま湯で洗い流すのも比較的簡単で、界面活性剤も少なくて済みます。
肌の油分を取りすぎずにメイクを落とすことができ、しかもダブル洗顔もいらないことも多い。となると、さらに洗顔による、乾燥のリスクも避けられます。
うん、素晴らしいクレンジング。
油脂系クレンジングにもデメリットか?毛穴を広げるって本当?
そんな、完璧とも思える油脂系クレンジングにもデメリットがあるらしい・・・。
どうも、毛穴を広げるらしい・・・。
すごーくショック。
毛穴を広げると言われる原因は不飽和脂肪酸の一つ、オレイン酸
油脂系クレンジングの主な油は、オリーブオイルや米ぬか油です。
美肌に良いとされるアルガンオイルや、アボカドオイルにアーモンドオイルなど、他にも油脂は沢山ありますが、やはりコストの面で、クレンジングとして製品化されるのは、オリーブオイルや米ぬか油が多いですね。
そして、オリーブ油や米ぬか油には、オレイン酸と言われる不飽和脂肪酸が豊富に含まれているので、必然的に油脂系クレンジングは、オレイン酸が多い傾向にあるということに。
で、悲しいことに、オレイン酸が毛穴を広げる原因の一つだというのです。
オレイン酸ってオリーブ油に多くて、健康にもいいってイメージが強いですよね。でも、肌にはダメなの??
毛穴の目立つ人の肌には不飽和脂肪酸が多い
資生堂素材・薬剤開発センターの研究によると
- 毛穴の目立つ人の毛穴周辺の細胞は、不全角化状態になっている
普通角質細胞は、ターンオーバーによって核のない細胞となり、肌表面に存在します。
ところが、毛穴の目立つ人の毛穴周辺の細胞には、核が残ったままの細胞が存在しているのだそう。これは、肌が悪化している状態で、毛穴周辺はすり鉢状に陥没して、毛穴が目立って見えるようになるのだそう。
- 毛穴の目立つ人は、水分の蒸発量も多く、皮脂中の不飽和脂肪酸の量が多い
毛穴の目立つ人は、そうでない人に比べ、肌の水分の蒸発が多いそうです。核が残ったままの未熟な細胞なので、肌のバリア機能は十分に機能しませんから、納得の結果ですね。
そして、皮脂を調べても、皮脂中の不飽和脂肪酸の割合が多いのだそう。
- 肌にオレイン酸を塗ってみると、水分の蒸発は多くなり、不全角化は進んで、毛穴が目立つようになった
オレイン酸はもともと人の皮脂に含まれる成分で、皮脂の不飽和脂肪酸の中で、主要成分だそうです。
そこで実際に、オレイン酸を頬に3日間連続で塗ってみると、水分の蒸発は多くなり、すり鉢状の毛穴が確認できたそうです。
オレイン酸、毛穴の悪化に一役買ってるってことよね・・・。
毛穴のない肌になってみたい・・・
オレイン酸は細胞間脂質を洗い流して、バリア機能を壊すって本当?
クレンジングだけでなく、汚れをおとす石けんの材料としても、油脂は使われています。
石けんは、ものによっては、随分と洗い上がりに差がありますよね。その差の要因の一つに、材料の油の違いがあります。
例えば・・・
- 牛脂やパーム油が主な油の石けん
ステアリン酸やパルミチン酸という脂肪酸が多く、皮脂の成分でもあるスクワレンを洗うのが得意。
細胞間脂質の主成分であるコレステロールを、洗い流すのは苦手。
⇒皮脂の分泌が十分・多い、普通肌や脂性肌(乾燥性脂性肌も含む)の人向けの石けん
- オリーブ油や米ぬか油が主な油の石けん
オレイン酸という脂肪酸が多く、皮脂の成分でもあるスクワレンを洗い流すのは苦手。
⇒皮脂を洗い流しすぎないので、乾燥肌におすすめの石けん。
ただし、細胞間脂質の主成分コレステロールを洗い流すのは得意なので、泡パックをしたり、二度洗いなどは避けた方が良い。
- ヤシ油やパーム核油が主な油の石けん
ラウリン酸やミスチリン酸という脂肪酸が多い。
スクワレンやコレステロール両方とも、洗い流すのが得意。
ただし、石けんを作るときには、数種の油を混合するのが普通だそう。
牛脂やパーム油100%の石けんを作ると、ぬるま湯では溶けないので、洗浄力を発揮することができません。なので、他の油を混合するようです。
このように、油に含まれる脂肪酸には、洗い流すのが得意なもの・苦手なものがあって、コレを選択洗浄性というのだそう。
で、問題はオレイン酸が、細胞間脂質を洗い流すのか?ということですね。
細胞間脂質が洗い流されては、肌のバリア機能が壊れてしまうので、大問題ですが、普通に使う分には大丈夫なようです。
ただし、オリーブ油でできた石けんは、しっとり洗いあがる反面、肌質によっては物足りないと感じることもありますよね。
また、皮脂が多い人は、毛穴のつまりや汚れを気にしていることも多いもの。
物足りないといって、二度洗いしたり、毛穴のつまりを取ろうと、オイルでクルクルと時間をかけてクレンジングをしていると、細胞間脂質が洗い流されるリスクはあると思います。
そして、細胞間脂質が洗い流され、保湿機能も低下すると、より一層皮脂の分泌が盛んになるという、悪循環にもなりかねませんね。
油脂系クレンジングで毛穴が目立たなくなったという口コミも
油脂系クレンジングで、乾燥しなくなった、毛穴が目立たなくなったという口コミも見かけます。なぜでしょうね。
オレイン酸について、デメリットばかり上げてきましたが、オレイン酸には、保湿効果があり、肌なじみもいいというメリットもあります。
オレイン酸を多く含む、油脂系のクレンジングオイルを使って、毛穴が目立たなくなったという場合は、もともと皮脂が少ない肌質だったのではないかと考えられます。
オレイン酸は、もともと皮脂に含まれる成分です。その、オレイン酸などの不飽和脂肪酸が多いから、毛穴が目立つようになるわけです。
皮脂が少なければ、不飽和脂肪酸も少ないですよね。そこへ、油脂系クレンジングオイルを使っても、さほど不飽和脂肪酸が増えず、逆に保湿によって、肌が整えられてのではないでしょうか?
油脂系クレンジングオイルの美肌になる使い方
洗浄力も穏やかで、皮脂の分泌が少ない方には、油脂系クレンジングオイルはとてもおすすめです。
皮脂が少ない方は、毛穴のつまりも比較的少ないでしょうし、乾燥しがちなので、何度も洗ったり、長時間マッサージするように洗うことも無いでしょうから、自然に細胞間脂質を洗い流すリスクも避けられます。
ただし問題は、皮脂の分泌が十分・多い方。
キチンと皮脂を洗い流したい、角栓を取り除きたいと、ついついクレンジングの時間が長くなってないでしょうか?
「油脂系クレンジングオイルは安心・安全」のイメージから、毎日小鼻のまわりをクルクル、クルクルしてませんか??
油脂系とはいっても、クレンジングはクレンジング。
「クレンジングでマッサージは禁物、スピーディーに済ませましょう」
と、本や雑誌でも見かけます。
それが、「油脂系ならOKなんでしょ?」と長い時間のクレンジングを続けてしまうと、知らず知らずに細胞間脂質は洗い流され、バリア機能が壊れることも。
皮脂は洗い流れても、すぐに分泌され元通りですが、細胞間脂質はなかなか戻りません。
しかも、細胞間脂質が流され、肌の内部が乾燥しても、皮脂は分泌されるので、乾燥に気が付きにくいです。
よく肌を観察
やはりクレンジングは手早く済ませて、角栓が気になっても、毎日クルクルマッサージするのは避けた方が良さそうですね。
目に見える角栓が取れても、肌内部が乾燥すれば、また皮脂はたくさん分泌され、毛穴が目立つようになって、エンドレスです。
クルクルした後は、角栓がとれたかどうかだけでなく、逆に乾燥してないかよく観察するのがおすすめです。